東京や大阪に住んでいると、駅前の大手フィットネスクラブの看板をよく見かける。月額1万円以上のジムも珍しくない。一方で、区や市が運営する公営スポーツセンターは1回数百円で利用できる。この価格差は何なのか。そして、どちらを選ぶべきなのか。
この記事では、公営ジムと民間フィットネスクラブの具体的な違いを解説する。料金、設備、サービス内容まで詳しく比較していく。
公営ジムとは何か
公営ジムは、自治体が運営するスポーツ施設だ。正式には「公共スポーツセンター」や「区民体育館」と呼ばれることが多い。
新宿区、渋谷区、世田谷区など、ほぼすべての自治体に存在する。住民の健康増進を目的としているため、営利を追求していない。そのため利用料金が安い。
公営施設には以下の特徴がある。
- 1回ごとの支払いが基本(都度払い)
- 区民・市民は割引料金で利用可能
- トレーニングルーム、プール、体育館などを併設
- 高齢者向けプログラムが充実
民間フィットネスクラブの特徴
民間のフィットネスクラブは企業が運営している。コナミスポーツ、ティップネス、ゴールドジムなどが代表的だ。
会員制を採用しており、月額制の料金体系が一般的。入会金や事務手数料がかかる場合もある。
設備やサービスの質で差別化を図っている。シャワールームにアメニティが揃っていたり、タオルの貸し出しがあったりする。
料金の違いを比較
実際にいくらかかるのか。具体的な数字で見てみよう。
| 項目 | 公営ジム | 民間クラブ |
| 1回の利用料 | 300〜500円 | 該当なし(月額制) |
| 月額料金 | なし〜2,000円程度 | 7,000〜15,000円 |
| 入会金 | 無料〜500円 | 5,000〜30,000円 |
| 年間コスト目安 | 15,000〜30,000円 | 100,000〜200,000円 |
週2回通う場合、公営ジムなら月3,000円程度。民間クラブの3分の1以下で済む計算になる。
ただし、この料金差には理由がある。
設備とマシンの違い
公営ジムのマシンは必要最低限のものが揃っている。ランニングマシン、エアロバイク、基本的なウェイトマシン。使い方を覚えれば十分にトレーニングできる。
ただ、最新機種は少ない。10年以上前のマシンが現役で動いている施設もある。故障中の札がついたまま数週間放置されていることも正直ある。
民間クラブは設備投資に力を入れている。最新のカーディオマシンにはタッチパネル画面がついていて、動画を見ながら走れる。フリーウェイトエリアも充実している。
筋トレ上級者なら、民間クラブのほうが満足度は高いだろう。
スタッフとサポート体制
民間クラブには専属トレーナーが常駐している。パーソナルトレーニングを追加料金で受けられる。フォームチェックや食事指導もしてくれる。
公営ジムにもスタッフはいる。ただし、マシンの使い方を教えてくれる程度。本格的な指導は期待できない。初回講習会を受ければ、あとは自分でトレーニングする形式が多い。
自分で調べて黙々とトレーニングできる人には問題ない。むしろ話しかけられないほうが集中できるという人もいる。
営業時間と予約システム
ここが公営ジムの弱点かもしれない。
民間クラブは朝7時から夜23時まで営業しているところが多い。24時間営業のジムも増えている。仕事帰りでも、早朝でも通える。
公営ジムは9時開館、21時閉館が一般的。日曜日は17時で閉まる施設もある。年末年始や施設点検日は休館になる。
プールや体育館は事前予約が必要な場合もある。予約システムが使いにくいという声も聞く。
忙しい会社員にとって、この時間的制約は大きなデメリットだ。
混雑状況について
平日の夕方18時〜20時は、どちらの施設も混雑する。これは仕方ない。
公営ジムは土日の午前中も混みやすい。特にプールは家族連れで賑わう。マシンの待ち時間が長くなることもある。
民間クラブは会員数を調整しているため、極端な混雑は少ない。ただし人気店舗は例外だ。
空いている時間を狙うなら、公営ジムは平日の午前中がおすすめ。高齢者が多いが、マシンはほぼ待たずに使える。
プログラムとレッスンの種類
民間クラブはグループレッスンが豊富だ。ヨガ、ピラティス、エアロビクス、ズンバ。毎日何かしらのクラスが開催されている。追加料金なしで参加できるクラブも多い。
公営ジムにもプログラムはある。ただ、種類は限られる。週に数回、決まった時間に開催される形式だ。定員制で抽選になることもある。
フィットネスレッスンを楽しみたい人には、民間クラブのほうが選択肢が多い。
どちらを選ぶべきか
結論から言うと、目的と予算で決めるのがいい。
公営ジムが向いている人は以下のタイプだ。
- コストを抑えたい
- 基本的なマシントレーニングができればいい
- 自分でメニューを組める
- 平日の昼間や夕方に時間がある
民間クラブが向いている人はこちら。
- 設備の質にこだわる
- トレーナーの指導を受けたい
- 早朝や深夜に通いたい
- グループレッスンに参加したい
両方を使い分ける方法もある。平日は会社近くの民間クラブ、週末は自宅近くの公営ジム。月額費用を抑えつつ、利便性も確保できる。
トレーニング後の楽しみ方
ジムで汗をかいた後は、リラックスする時間も大切だ。近くのカフェで軽食をとったり、自宅でスポーツ観戦したりするのもいい。
最近はスマートフォンでスポーツベッティングを楽しむ人も増えている。日本で人気の暗号通貨スポーツブック BetFury では、サッカーや野球の試合にベットできる。トレーニングのモチベーション維持に、好きなチームを応援するのも一つの方法だ。
公営ジムを使いこなすコツ
最後に、公営ジムを上手に活用するポイントを紹介する。
まず、複数の施設を把握しておくこと。自宅の区だけでなく、隣接区の施設も利用できる場合がある。料金は少し高くなるが、選択肢が広がる。
次に、空いている時間帯を覚えること。施設によって混雑パターンは違う。何度か通えば、自分に合った時間が見つかる。
そして、必要な持ち物を確認すること。タオルやシャンプーは持参が基本。忘れると困る。ロッカーに100円硬貨が必要な施設も多い。
公営ジムは決して完璧な施設ではない。古い建物も多いし、サービスは最小限だ。でも、安くて気軽に使えるのは大きなメリットだ。
高いお金を払わなくても、体は鍛えられる。まずは近所の公営ジムを覗いてみてほしい。意外と快適かもしれない。
